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細江英公写真集
鎌鼬

細江英公写真集『鎌鼬』は、1969年に現代思潮社より限定1000部で刊行されました。この度、青幻舎は、その完全復刻版を限定500部にて発行致します。

写真家・細江英公と舞踏の創始者・土方巽との濃密なコラボレーションにより誕生した名作『鎌鼬』。巣鴨とげぬき地蔵、葛飾界隈、そして秋田の伝統的な農村風景を舞台に、土方巽はパフォーマンスを鮮烈に繰り広げた。人々との遭遇によって生じる波紋、そして疾走する土方巽の魂と肉体に共振しながら、風土への官能、生と死のオルガズムを深めていく細江の眼差し。ここに、日本の原風景と記憶はモノクロームで焼き付けられた。

「鎌鼬」は、東北の霊気を宿す伝説上の生きもの。農村に出没し、出会い頭に人を鋭く切り裂くという。「鎌鼬は土の精であり、百姓にだけ現われたファントムであったのか。しかし、この見えない飛ぶ刃はなんと鋭く、空を切り、肉を切ったことだろう」(瀧口修造 序文より)。深いブルーの扉型のページを開くたび、鎌鼬の生息する劇場に誘い込まれる。

細江英公は1933年、山形県に生まれた。半世紀余にわたり、自己の内面的な意識を写真として表現することを探求し続け、独自の映像美学は国際的な評価を得ている。安保闘争に揺れる1960年に発表した『おとこと女』では肉体を裸形のオブジェにまで解放し、二つの性の拮抗するドラマを鮮烈なコントラストで描出。このとき被写体のうちの一人が土方巽だった。さらに1963年、三島由紀夫を被写体としてバロック的な耽美空間を構築した『薔薇刑』を発表。そして再び土方巽とのコラボレーションが結実し、不朽の名作『鎌鼬』を生んだ。

本書は、本体、カバー、スリップケースに至るまで完全復刻。全500冊に細江英公のサインとエディションナンバー入り。

 


Eikoh Hosoe (C) 2005 from the series "Kamaitachi" (Seigensha, 2005)

Goliga Books

鎌鼬
41ページ/375×309/上製・スリップケース入

発行:青幻舎
定価:31,500円(税込)

写真:細江英公
舞踏:土方巽
詩:三好豊一郎
序文:瀧口修造
造本:田中一光

青幻舎
www.seigensha.com/

製作協力:アイヴァン・ヴァルタニアン